絵画 伊東深水 初詣 日本画 人物画 鑑定書付 直筆原画 オリジナル 美人画 女性像 雪 冬 掛け軸 紙本彩色 アート 解説 真作保証 価格相談可
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【白い余白に雪を見つけた瞬間、初詣の冬景色が立ち上がる】
作品についてもう一歩深く知りたい方へ。作品情報の下に「作品解説」を掲載しています。
■作家名:伊東深水
■作品名:初詣
■技法・ED:紙本彩色
■サイン:落款、印
■作品サイズ:縦128.7cm×横31.6cm
■作品状態:薄いヤケ、所々に薄いシミ
■額サイズ:縦210.6cm×横49cm(軸装 軸先含む、紐含まず)
■額状態:概ね良好
■付属品・備考:箱、東京美術?楽部鑑定委員会鑑定証書、浜田台児鑑題
■解説:本作の要点は、女性像そのもの以上に、人物の上方へ大きく残された余白にある。画面上部には白い雪の粒がごくわずかに描かれており、それを認識する前と後では、この長大な白地の意味が変わる。
何も描かれていない空間ではなく、降雪を含んだ冬の大気として機能し始めるのである。
伊東深水は鏑木清方に師事し、浮世絵の系譜を継ぐ風俗画家として、近代女性の姿や時代の生活感覚を洗練された人物表現へと展開した。足立美術館も、深水を「浮世絵の流れを汲む風俗画家」と位置付けている。
深水には雪中の女性を扱った作例も確認でき、1932年の多色木版《吹雪》、さらに1940年代の日本画《吹雪》など、雪と女性の組み合わせは継続して扱われた主題の一つであった。
《初詣》では、吹雪そのものの激しさを描くのではなく、降る雪を極端に弱めている点が興味深い。黒灰色の着物に白い文様を散らし、橙色の傘、襟元の紫、裾から覗く赤や青を限定的に配する一方、背景は淡い墨彩へと退かせている。
結果として、人物の姿勢と足取りだけが静かに前景化される。新年という祝祭的な画題を、華美な社殿や群衆ではなく、一人の女性の所作と冬の空気によって成立させた構成と見ることができる。
さらに興味深いのは、深水が絵画以外でも東京の風俗に関心を寄せ、舞踊小唄「深川三題」の作詞を手がけ、その中に《初詣》という一篇を残している点である。本画との直接的な関係を示す資料は確認できないものの、「初詣」という題材が深水の風俗表現と無縁ではなかったことを示す資料にはなる。
また、本作に付属する浜田台児の鑑題にも意味がある。浜田は伊東深水に師事した日本画家で、後年には『伊東深水全集』や伊東深水展の監修にも携わった人物である。 人物、季節、風俗、余白という深水の表現を一幅の中で読み進められ、さらに師弟関係に連なる資料も伴う。
本作を見る意味は、美人画の「美しい女性」だけを見るのではなく、ほとんど何も描かないことで冬の気配まで描き出す、深水の構成感覚に触れられるところにある。
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